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~能登半島地震被災地を訪れて~/富士・富士宮・三島フジモクの家

~能登半島地震被災地を訪れて~

 

こんにちは、フジモクの家専務の川口正博です。

 

3月になりますが、弊社社長と能登半島地震の被災地を見学させていただく機会を得ました。復興に向けている最中の訪問となり、申し訳ない気持ちを持ちながらも、家づくりに関わるものとして地震被害の状況をしっかりと自分の目で確かめ、これからのお住まいづくりに役立てる使命があると思い訪問させてもらいました。改めて被災された皆様には心からお見舞い申し上げます。

 

今回訪問したのは、輪島市と金沢市近郊の内灘町の2つの市町でした。

 

輪島市は朝市が有名な地域の近郊で発生した大火災がメディアでも多く取り上げられていましたが、まさに街全体が壊滅状態と言っても良い位でした。また内灘町は地震被害が大きいエリアとはだいぶ離れた場所ですが、液状化現象の被害が大きかった場所になります。

 

 

 

現地で感じたのは、やはり築年数が経った古い木造家屋、特に瓦屋根の家の多さでした。大きな被害を受けている住宅の特徴として目立っているように感じました。そして、倒壊した建物を間近でよく見ると雨漏りにより構造体が腐っていただろうという家や、明らかにシロアリ被害を受けていることが分かりました。そこから、損傷がひどく耐震性能という机上の理屈や数値と全く関係ないところで実はもっと大切なことがある、つまり住んでからの定期的な点検とメンテナンスをしっかりしておかないと、いつ起こるか分からない地震には備えられないということを目の当たりにしました。家も家電と同じで定期的なメンテナンスが必要だと改めて強く感じました。

 

また、もう一つ今回クローズアップされているのが液状化被害です。液状化の現場は初めてみたのですが、まさに衝撃的でした。地面の隆起によって、家の庭のレベル(GL)と前面道路との差が背丈ほどのところもある程でした。街全体が歪んでいて、どこが元の場所で…と言うのが分からないくらいでした。また、液状化の被災は新築も古い家も全く関係なく起こっています。極端な話、昨日新築して引渡しを受けたという家も同じように被害を受けてしまいます。何ともやるせない…。自然の力の猛威を見せつけられました。

 

 前段の話に戻りますが、大きく被災した家の特徴として、1階がガレージや商店などで空間が大きな家、また続きの和室が2・3部屋もあるような昔ながらの田の字の間取りの家は耐力壁が少ないので必然的な地震力に対する弱さが証明されていたように見受けられます。(今の設計では外壁面でその分を補う手法もあり、弊社も採用しています)そして上に重い荷重があるほど不利になります、つまり2階より3階建て、板金・スレート屋根より瓦屋根が不利です。逆に際立ったのは、平屋が圧倒的に有利で実際に倒壊している物件もほとんどなかったということです。

 

 私たちに出来ることを改めて考えました…。

 

  • 耐震等級3の家づくり+コーチパネル工法で繰り返しの加振に対抗する。荷重に合わせた骨組み、耐力設計をする。
  • 家守り=定期的な点検とメンテナンスをお勧めし、設計通りの耐震性をいつまでも保てるようにお客様に寄り添う。
  • 土地選びをサポートする際には、その土地のリスクをしっかりと把握し、高低差等や近隣環境、地盤データ等を元に設計をする

 

と考えます。

 

お住まいはお客様やご家族の命と財産を守るものであると言うことを常日頃から心に留めていますが、その思いをさらに強くした機会となりました。

 

富士木材(株)専務取締役 川口正博