ウッドショックという衝撃とフジモクの家づくりへの影響について / 富士・富士宮・三島フジモクの家
【ウッドショックという衝撃とフジモクの家づくりへの影響について】
こんにちは、フジモクの家常務の川口です。
(画像は、富士山麓の富士ヒノキ山林)
今日は最近木材・建築業界で持ち切りの話題についてご紹介します。その名も「ウッドショック」です。2008年に世界中を震撼させたあのリーマンショックにちなんだ様なネーミングですね。まず起きていることは何かというと、「日本に外国産の丸太や製材された木材が入って来なくて、深刻な材料不足におちいっている。」状況で、外国産の材料を多く使う工務店やビルダーを中心に、いよいよ来月のゴールデンウィーク明けから家が建てられない…ということが聞かれています。
他人事ではない今の状況について、早速フジモクとしていつもご覧いただいているみなさんへできる限りの情報をお届けしたいと思っております。
まず最初に、当社フジモクで家づくりを検討していただいている方へのメッセージです。
当社は長く富士ヒノキや富士山麓の杉材を中心にした国産材での家造りをしてきました。いまのところ、木材不足によって建てられなくなってしまうといったことは無いです。先日以前からの製材業者さんに出向き話をして来ました。そこでも永続的な供給の確保をお願いし現状では心配無いと快諾をしてもらいました。
ただ、需給のバランスが明らかに崩れている中で、価格への転嫁は危惧されるところです。できる限り踏ん張って行きたいと考えていますが、今後は本当にどうなるか分かりません。 今後も情報の収集に努めていきたいと思っています。
そして、改めてウッドショックの理由について。複数要因が重なりあっていると思われますが、以下の様です。
1.コロナ禍で需要が伸びず供給を絞っていたところに、アメリカ・中国の旺盛な需要が戻って建築ラッシュが起きていること。(特にアメリカ市場)
2.アメリカ・カナダ材を日本に供給していた世界的な材木メーカーが日本向けの供給を無期限停止にしたこと。この会社は日本が購入していたアメリカ・カナダ材の4割をも担っていたとても大きな会社です。日本市場は品質にとても厳しく、その上選別して良いものだけを購入したがり、売り手としては面倒な顧客とされていた様です。
3.また、先日のスエズ運河での大型船の座礁事故やその前からあるコロナ起因による輸送用コンテナの不足等も間接的には影響がある様です。
日本は森林大国だし、近くの山の木を切ってくれば良いじゃないか、と考えられかもしれませんが、そう簡単な話ではありません。需要に合わせて供給量は決まります。急に供給を増やせと言われても、そもそもの生産能力が無いのです。従来から国の補助施策等も、バイオマス発電工場や合板工場等の木材を大量に消費する大口需要先に目が向けられ、国産建材への後押しが完全に不足してきたという背景もあります。
世界との関わりのことからこれから家を建てようとお考えの皆さんへの影響についてと、広範囲に影響が及ぶウッドショックのお話となりました。現状と背景の情報から心配をあおる様な話になってしまったかもしれませんが、当面当社に関しては心配が無いことをお伝えいたします。
富士木材株式会社常務取締役 川口正博