【フジモクの家は、なぜ「富士山麓の森林バスツアー」を開催しているのか】
【フジモクの家は、なぜ「富士山麓の森林バスツアー」を開催しているのか】
みなさん こんにちは、フジモクの家 代表の川口です。
「森林と木材の話 1.木材はどこから来ているの? ~実は、日本は森林大国」
https://www.fujimokunoie.jp/blog/%E6%A3%AE%E6%9E%97%E3%81%A8%E6%9C%A8%E6%9D%9 0%E3%81%AE%E8%A9%B1%e3%80%80%EF%BC%91%EF%BC%8E%E6%9C%A8%E6%9D%90%E3%81%AF%E3 %81%A9%E3%81%93%E3%81%8B%E3%82%89%E6%9D%A5%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%81% AE で、日本の山の現状を戦後から振り返ってお話をいたしました。
フジモクの家では、家を建てようとお考えのご家族に、実際に富士山麓の森林に入って、どんな山で木が育っているのか、またどのように伐り出されるのか、さらに製材工場でその木がどのように加工され木材になっていくのかを実際にご自身の目で見てご確認いただく実体験の場として「富士山麓の森林バスツアー」を開催しています。
参加を検討いただいてる方や、富士の山のこと、木のことに少しでも興味のある方へ。フジモクがどうしてこのイベントを続けているのかをお伝えいたしたいと思います。
1. 当たり前だった「近くの山の木で家を建てる」こと。
それが、日本の木の家づくり。まず知っていただきたいのは、昔から、もともと家を建てるのに近くの山の木を使うのは当たり前だったということです。その訳は、丸太を運ぶための輸送手段が限られていましたから遠くの山の木を使うことが困難だったのはみなさんもお分かりだと思います。そのため、家を建てる土地と同じ気候風土で育ち、その木の特性を良く知った製材所と大工が木材として加工し造り上げる。それが日本の木の家づくりだったのです。
2.近くの山の木を使う意味は、地球温暖化防止に貢献し山を守るということ。
まず、木材は鉄やアルミニウムなどに比べて製造過程で消費するエネルギーが非常に小さい素材だというのはご存知かと思います(人工乾燥の木材の製造エネルギーはアルミニウムの222分の1)。製造過程ではとても省エネルギーな木材ですが、外国産の場合は遠方から運ばれてくるため膨大な輸送エネルギーを費やします(欧州材の輸送距離は2300km)。近くの山の木を使うということは、より省エネルギーとなり地球温暖化防止に貢献することになるのです。もうひとつ、ヒノキやスギが植えられた森林は、間伐など適性に管理され適齢期になったら伐採しまた植林する、という森林のサイクルを回していかないと山が荒れていってしまいます。山の地面に根を張る大木のおかげで大雨時の土砂崩れなどの発生を防止することにつながるのです。
3.近くの山の木を知ることはとても大切なこと。
私たちの近くの山の木というと、富士山麓の富士ひのき、大井川流域のオクシズ杉、天竜川流域の天竜杉など静岡県内の山の木です。フジモクの家が主に使っている富士ひのきは、街中から車で30分くらいのとても近いところで育っています。富士山の火山灰土では成長が遅く、その分年輪の密度が高くなって比較的強度が高いと言われている富士ひのきですが、伐採された後、近くの製材工場で加工、乾燥され、更に1本1本強度を確認するなど品質もしっかり吟味されて、ようやく家に使われる木材となります。自分の家の大切な骨組みとなる木材がどんな山で育ち、どんなふうに木材となって家に使われていくのか。自分の目で見ること(近くの山の木を知ること)は、家づくりへの安心感と共に良い家づくりにつながると思います。そうして出来上がった家には格別の愛着を感じ、家を大切にしながら永く楽しく暮らしていけるのではないでしょうか。
※森林バスツアーの様子は「フジモクの家 富士山麓の森林バスツアーレポート」でご確認ください。
ブログ:フジモクの家 富士山麓の森林バスツアーレポート
https://www.fujimokunoie.jp/blog/180614
(文:一級建築士・宅地建物取引士・暮らし省エネマイスター 川口祐介)