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日本の森林の話~静岡県の森林で育まれた木を使う① / 富士・富士宮・三島

【日本の森林の話~静岡県の森林で育まれた木を使う①】            

 

前回では日本の森林の構成(針葉樹と広葉樹、天然林と人工林、日本三大美林)と、それらの木を適材適所で使うことなどをお話しました。(http://ameblo.jp/fujimokunoie/archive1-201706.html

今回は、いよいよ私たちに一番身近な静岡県の森林についてお話しましょう。

 

【静岡県の森林は、4つの地域に分けられる】

静岡県の森林は、富士山や南アルプス、天竜美林など地域によって個性豊かな様相を呈していて、その地域特性から大きく4つに分けられます。

 

1.富士流域と呼ばれる地域は、富士山麓に広がる富士市、富士宮市、沼津市、三島市、裾野市、御殿場市、駿東郡小山町、長泉町、清水町を包括しています。富士山頂からすそ野まで、変化にとんだ植生があります。山麓には戦後植林されたヒノキの人工林が広がっており、「富士ひのき」としてブランド化が進められています。

 

2.伊豆流域は、伊豆半島の中央部を占める天城山系を源とする狩野川とその他の中・小河川の流域、熱海市、伊東市、伊豆の国市、伊豆市、下田市、函南町、東伊豆町、河津町、西伊豆町、松崎町、南伊豆町を包括する地域。天然のブナ林などが残る自然豊かな森林を始め、かつて薪炭生産が盛んであったことから広葉樹林の割合が高いのが特徴です。人工林ではスギ・ヒノキが育成されています。
3.中部流域は、静岡県の中部に位置し、大井川流域を包括する区域。北はアルプスの峰々を境に長野県、山梨県と接している静岡市、焼津市、藤枝市、島田市、牧之原市、川根本町、大井川町、吉田町を包括する地域。平成27年、静岡市内の製材業者が「オクシズネット」を組織、「オクシズ材」としてスギ・ヒノキのブランド化を進めています。

 

4.天竜流域は、浜松市天竜区を中心とし、治山治水を目的に江戸時代から植林が進む中、暴れ天竜と言われた天竜川の氾濫を防ぐためにと、金原明善が私財を投じて行った植林事業が発端となって拡大しました。「天竜美林」と称される日本有数の歴史ある先進林業地域で、そこから産出されるスギ材のブランド「天竜杉」が有名です。

 

 

次回は、富士山麓の森林の歴史に触れて、お話します。