森林と木材の話 2.木材はどこから来ているの? ~フジモクが日本の木を使った家を建てることの意味
木材はどこから来ているの?②
~フジモクが日本の木を使った家を建てることの意味
前回(☆)に続き「木材はどこから来ているの?」の2回目です。
私たちの国土にはたくさんの森林があるのに、何故、海外から来る木が多いのでしょうか?
日本の森林(人工林)の歴史を辿ってみると、その理由が分かります。まず、人の手で木を植える「植林」が始まったのは江戸時代です。本格的に拡大したのは明治に入ってからですが、昭和になって、戦争中に大乱伐されてしまいました。戦後復興で木材需要が急増したため、成長が早くまっすぐに育つスギ、ヒノキ、カラマツを主体に全国各地で植林されていきました。しかし、木は植えたらすぐ利用できるわけではないため、需要に供給が追いつかず、木材の高騰を招きました。
そこで、国内材の供給不足を賄うべく木材輸入の自由化がスタートしました。すると、安くて安定供給できる外材の輸入量が年々増大していきました。それと並行して、国内材の価格は暴落(現在、丸太は50年前と、製品は40年前と同じ価格)し、採算の厳しい林業は衰退していったのです。
そして今、戦後すぐには95%もあった木材の自給率が30%程度にまで落ち込んでしまい、国内の林業に従事する人々の仕事が減少し、森林の手入れが行き届かない状況にもなっています。
現在の森林の状況はというと、戦後の拡大造林で植林された人工林の大半が利用の時期を迎え、日本の木材蓄積量は、自給率100%が可能な量になっています。
それなのに使われていない…新たな問題です。
その訳は、価格や林業、製材、流通の問題などが時間とともにいろんな要因になり絡み合ってしまっているからでした。そこでこの状況を打開するために政府は2020年までに木材自給率を50%以上へという目標を掲げ、国産材が使われるための様々な施策を打ち出しました。
そんな中、フジモクは、いち早く国産材に着目し、十数年前から富士山麓のヒノキを中心に、国産材の中でも地元材にこだわって、家づくりに活用しているのです。
次回は、フジモクが地元材を使う大きな理由のひとつ「森林が果たす役割」の話をしたいと思います。
※グラフ:日本の木材供給量と木材自給率の推移(木材需給表、林野庁より)
※写真:1950年「荒れた国土に緑の晴れ着を」をスローガンに「第1回全国植林祭」が山梨県で開催され、天皇皇后両陛下のよるお手植え等の行事が行われた。その後、国土緑化運動の中心的行事として全国植林祭が毎年開催され、拡大造林、森林復興が進められた(平成25年度森林・林業白書より、写真は山梨県提供)