「階段シリーズ①(間取り編)階段の位置はどうやって決めていますか?」/富士・富士宮・三島フジモクの家
「階段シリーズ①(間取り編)階段の位置はどうやって決めていますか?」
こんにちは、設計の杉山です。
今回のテーマは「階段の位置はどうやって決めていますか?」です。
こちらのご質問に私の設計修行時代に習得したことや、フジモクの家の設計のベースを解説してお答えしたいと思います。
・プロとしての基本の考え方「階段は、家の中心付近に配置すること」
基本は、階段を出来るだけ家の中心付近に配置するよう考えて設計します。なぜならば階段が家の中心付近にあると2階での動線が短くなりますし、無駄なスペースを最小限にすることが出来ます。
例えば、階段を中心に配置すると各部屋への動線計画が放射状になり廊下部分が減りますから、その分建物もコンパクトにまとまりコストを抑えられます。
その次に2階の間取りを大まかなゾーニング計画を考えてから、階段の位置を決めて行きます。設計の修行時代に「2階から考えろ!」と先輩達から教えてもらった事を思い出されます。私自身もその方が上手くまとめやすく感じており、この辺りが間取りを考えるプロの技の話になりますね。
(ただし、合理的にまとまったプランが必ずしも正解とは限りませんので、その辺は建築士のセンスにお任せするのも宜しいかとは個人的は思います(笑))
・そもそも、階段は家にとってどういうもの?
階段って基本的な用途は、上階と下階を繋ぐための段のついた廊下です。安全に昇降させる用途と、家の中での動線計画において重要な役割を果たしていると思います。
その様なことから、家の間取りを考える上で階段の位置はとても重要になります。
一般の方々で、ご自分で間取りを考えた事がある方でも、平面的な間取りは暮らしやく計画できても、2階との繋がりを考えた途端に解らなくなってしまうものではないでしょうか?家の間取りは、LDKや水廻りの位置など目立つ部分に目が行ってしまいがちです。私は暮らしやすさを感じる間取りが、良い間取りではないか思っています。フジモクの家の見学会では、一度階段の位置にも注目してみてくださいね。
(文:一級建築士 杉山卓也)